Shopifyで商品ごとに仕入先を設定できる?標準機能の限界と実務で使える解決策

Shopifyで商品ごとに仕入先を設定できる?標準機能の限界と実務で使える解決策

Shopifyには商品ごとに仕入先(サプライヤー)を紐づける標準機能がありません。受注生産・ドロップシッピング・複数工場への発注を手動で処理している方向けに、現実的な代替手段を整理します。

この記事が当てはまるケース

次のような状況で困っている方を想定しています。

  • 商品Aはメーカー直送、商品BはX工場、商品CはY工場――というように、商品ごとに発注先が異なる
  • 注文が入るたびに「どの仕入先に連絡するか」をExcelや頭の中で管理している
  • 受注生産・ドロップシッピングで、複数の取引先に同時に発注しなければならない
  • Shopify管理画面だけで仕入先情報を完結させたいが、どこに設定すればいいか分からない

1〜数名で運用しているストアで、商品数が増えるにつれて「仕入先の把握」が属人化・煩雑化しがちなケースです。

結論

Shopifyには「商品ごとに仕入先を設定する」専用フィールドが標準では存在しません。メモ的な運用であればメタフィールドや商品タグで代用できますが、そこから発注書を自動生成したり、仕入先にメールを自動送信したりするには、別途の仕組みが必要です。

選択肢は大きく4つ。①手動運用(Excelや管理画面のメモ)、②Shopifyのメタフィールド+Shopify Flow、③外部サービス・連携ツール、④専用アプリ。どれが合うかは、発注先の数・発注頻度・自動化にかけられるコストで変わります。

Shopify標準機能でできること

完全ではありませんが、標準機能でできる範囲を先に整理しておきます。

  • 商品タグ:「supplier-factory-a」のようなタグを商品に付けることで、仕入先を分類する目安にできます。絞り込みや注文CSVのフィルタリングに使えます。
  • メタフィールド(商品):管理画面の設定からカスタムフィールドを追加できます。「仕入先名」「仕入先メールアドレス」「仕入先コード」などを商品に紐づけて保存しておくことが可能です。
  • ベンダーフィールド:商品編集画面の「ベンダー」欄は本来ブランド名用ですが、仕入先名をここに入れて代用しているケースも見かけます。ただし1商品につき1件しか登録できません。
  • 注文のCSVエクスポート:注文データをCSVで書き出し、タグやベンダー情報を参照して手動で仕入先別に振り分けることはできます。

これらはあくまで「情報を記録しておく」レベルの話です。記録した仕入先情報を使って何かを自動で動かすには、一工夫が必要になります。

標準機能だけでは難しいこと

以下のような業務は、標準機能だけでは対応しきれません。

  • 注文が入ったとき、商品に紐づいた仕入先へ自動で発注書やメールを送る:Shopifyには発注書の自動生成機能がありません。注文をトリガーにした仕入先への自動通知も標準では動きません。
  • 1つの注文に複数の仕入先が混在するとき、それぞれに振り分けて発注する:たとえば1注文の中に工場Aの商品と工場Bの商品が混在している場合、手動で仕分けるしかありません。
  • 仕入先ごとのフォーマットで発注書を出力する:仕入先によって欲しい項目・レイアウトが異なるケースも多いですが、Shopify標準には発注書出力機能自体がありません。
  • 仕入先側のリードタイムや在庫状況をShopify上で管理する:これはかなり高度な要件で、標準機能の範囲外です。

要するに、「情報を持つ」ことと「情報を使って業務を動かす」ことの間に大きなギャップがあります。

手動・Shopify Flow・外部サービス・既存アプリなどの解決策

① 手動運用(Excel・スプレッドシート)

商品コードと仕入先の対応表をExcelやGoogleスプレッドシートで管理し、注文CSVをエクスポートしてVLOOKUPなどで仕入先を突き合わせる方法です。初期コストゼロで始められますが、注文が増えると転記ミスや確認漏れが起きやすくなります。月数件程度なら現実的な選択肢です。

② メタフィールド+Shopify Flow

商品メタフィールドに仕入先のメールアドレスを登録しておき、Shopify Flowで「注文作成→商品のメタフィールドを参照→メール送信」という自動化フローを組む方法です。Flowは通常プランでも使えます(利用できるアクション数に制限あり)。ただし、1注文に複数仕入先が混在するケースや、PDFなどのフォーマットで発注書を送りたいケースには対応が難しいです。シンプルな通知レベルであれば費用をかけずに実現できます。

③ Zapier・Make(旧Integromat)などの連携ツール

Shopifyの注文情報を受け取り、商品タグやメタフィールドを見て仕入先別にメールやスプレッドシートへ書き出すフローを作る方法です。柔軟性は高いですが、フロー設計に一定のリテラシーが必要です。月額コストも発生します。仕入先の数が多い・フローが複雑になる場合に検討する価値があります。

④ 発注管理専用アプリ

Shopifyアプリストアには仕入先管理・発注書生成に特化したアプリがあります。海外製のものが多く、英語UIや日本の商習慣との相性が課題になることがあります。日本語対応・日本の業務フローに合わせた選択肢としては、「かんたん発注書」(smart-purchase-orders)があります。商品ごとに工場・発注先を設定しておくと、注文データから発注書(PO)を自動生成・振り分けて出力できます。受注生産や複数工場への直送業務で転記ミスが頻発しているケースに向いています(詳細: https://www.eing.site/apps/smart-purchase-orders)。

各方法の違いと選び方

状況に合わせて選ぶための目安をまとめます。

  • 月数件・仕入先が1〜2社:手動運用で十分。無駄にツールを増やす必要はありません。
  • 仕入先へのメール通知を自動化したい・発注書フォーマットは問わない:メタフィールド+Shopify Flowが費用対効果が高いです。
  • 複数の仕入先に同時発注・1注文に複数仕入先が混在する:FlowやZapierでは対応が複雑になるため、専用アプリを検討する方が結果的にシンプルです。
  • 発注書のフォーマット・PDF出力・日本語対応が必要:海外アプリより日本語対応の専用アプリの方が現場に合いやすいです。
  • 仕入先管理を含む在庫・調達の全体最適をしたい:その場合はShopifyの範囲を超えるWMSやERPとの連携を検討することになります(コスト・規模感も別次元になります)。

設定・運用上の注意点

どの方法を選んでも、共通して気をつけておきたい点があります。

  • 仕入先情報のメンテナンス体制を決める:商品タグやメタフィールドに仕入先を入力しても、担当者が変わったり商品が増えたりしたときに更新が止まると一気に使えなくなります。誰がいつ更新するかをルール化しておきましょう。
  • バリアント(オプション)単位の仕入先分けは複雑になる:「サイズSはA工場、サイズLはB工場」という設定が必要な場合、メタフィールドやタグではバリアント単位での管理が難しいことがあります。アプリ側がバリアント単位の設定に対応しているか確認が必要です。
  • Shopify FlowのアクションはプランによってAPIコールに制限がある:注文量が多い時期にFlowが詰まるケースがあります。月間の注文数が多い場合は処理遅延も念頭に置いてください。
  • 仕入先への通知内容に個人情報が含まれる場合は注意:注文者の住所・連絡先を仕入先に共有するフローを組む場合、プライバシーポリシーや取引契約との整合性を確認しておくのが安全です。

この場面で使える eing のアプリ

運用ルールを整えたうえで、通知や発注の抜けを減らす選択肢として、eing が開発した Shopify App もあります。合う場面だけ検討してください。

かんたん発注書:自動生成&複数工場振り分け

注文データから工場への発注書(PO)を自動生成・一括出力するアプリ。商品ごとに発注先の工場を自動で振り分け、受注生産や直送業務の転記ミスと手間を完全にゼロにします。

アプリの詳細を見る

まとめ

Shopifyには商品ごとに仕入先を設定する専用機能がないため、運用規模や業務の複雑さに応じた代替手段が必要です。月数件の小規模運用なら手動・メモで十分ですが、注文が増えるにつれて転記ミスや確認漏れが起きやすくなります。

自動化を検討するなら、まずメタフィールド+Shopify Flowで通知レベルの仕組みを試してみるのが低コストで始めやすいです。1注文に複数仕入先が混在する・フォーマットのある発注書を出したいという場合は、早めに専用アプリを検討した方が結果的に手間が少なくなります。

「今の手作業がどのくらいのコストになっているか」を一度計算してみると、ツール導入の判断がしやすくなると思います。